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2008年01月06日

『日本という方法』

あけましておめでとうございます
今年も“笑う門には福来る”と“心身の健康”を大切に過ごしたいと思います。

昨年読んだ本では、松岡正剛著『日本という方法』が一番印象に残っています。松岡さんの本は他にも、『17歳のための世界と日本の見方』が興味深いです。どちらも眼から鱗な視点、考え方を示しています。どうしても偏りがちなモノの見方や紋切り型に答えを求める姿勢にハッと気付かされる思いがします。とてもニュートラルで気持ちがいいのです。

普段、仕事をするとき、合理的な思考や効率的な行動が求められます。自分もリーダーとしてメンバーに求めます。そのこと自体は必要なことなのですが、だからと言って義理人情というかこころの部分を忘れてしまっては全くダメです。何を当たり前のことを、と思いつつも、このバランスや時を見たさじ加減が結局大切だよなぁと、新年改まって思った次第です。

養老孟司さんは、「頭で考えればわかるというのは誤り。物事は論理では決せず感情が制御する」とまで言ってます。「体に聞け」、「“衣食足りて礼節を知る”の意味」を説いておられます。「コンピュータに取ってはノイズは役に立たないが、脳は膨大なノイズを活かせる」と言ったのは茂木健一郎さんです。とかく、“二元論”や“唯物論”に陥りがちな西洋風の考え方を見直さないとなと思わせます。

進化論でドーキンスと闘っていたグールドの遺稿となった『神と科学は共存できるか?』を今年読もうと思っているのですが、書評によれば、「相補し合うものだ」と述べているようです。感覚的には、白黒つけるというよりは、どっちも役割があってそのバランスと言っているのではないかなと推測しています。絶対神の考えが深く根を下ろしているお国柄でこの結論を導くのは葛藤があったであろうと思います。

何だか年初めに堅苦しい文章になっちゃいましたが、自分が仕事場のリーダーであったり、家族の父親・夫であったりするので、「言葉に出さないと伝わらない」と思いつつも、「わかる人には言わなくても分かるが、わからない人には言ってもわからない」とか、「言う価値のあることかを自問してみる」とか、いろいろと思い迷んでいる日々に、何か試行錯誤するヒントになるような気がしています。『日本という方法』を読んで、そんな思いに駆られています。

「教養とは人の心を知ることなり」と言ったのも養老孟司さんです。さて、今年はどんな本に出逢えるかな。積読にならないよう頑張って読もうと思います。

投稿者 ゆきの父 : 2008年01月06日 15:20

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