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2007年07月01日

共に生きる

夕食のあと、何となくNHKをつけていたら、NHKスペシャルが始まりました。前回書いたイマージュのコンサートで披露されてたテーマ曲が流れてきて、お母さんもお兄ちゃんも、「あ、この曲!」と気がつきました。アンデスの映像と合わせて流れる音楽は、哀愁のある雰囲気です。

今回はインカの人々がミイラと共に暮らしていたという内容でした。王がその死後もミイラとして存在し続けて、王宮や家臣たちがミイラを日々、世話し、生きているかのように扱う文化だったようです。権力の継続という意味では有効であったのですが、時代とともにミイラが増え続け、12代目の王がミイラ(に使える者たち)の富を没収しようとし内乱を招いたようです。

実は、その内乱に乗じてスペインからの侵略があって、あっけなくインカが滅びたというのが史実のようです。スペインから侵略されたという歴史は習いましたが、そういう背景があったことは初めて知りました。

人は必ず死ぬが、死後も生き続けるというインカの人々の考えは、とても自然な考え方だと私は思います。番組で紹介されて驚いたのですが、インカでは、ミイラとなった親族と普段、一緒に暮らしていたようなのです。着替えさせ、髪を整え、食事を用意して、まるで生きているときと同じように暮らしたようです。

お風呂から出てきた夏ちゃんが、食い入るように見てました。ちょうど、赤ちゃんや幼いこどもを亡くした家族がこどものミイラを埋葬するときに、母親の母乳や、穀類、食器など、あちらの世界でおなかがすかないようにとたくさん用意して一緒に埋葬しているシーンです。「おなかすかないように?」と夏ちゃんが聞くので、そうだね、と答えました。

独り寂しくしてないか、寒くはないか、痒かったり痛かったりしないか、おなかがすいてないか、我が子のことを思うと、いてもたってもいられないその気持ち。痛いほど分かります。だからこそ、天国は苦しみのない世界、お友達もいっぱいいると信じなければ、信じられるようにならなければ、心が安定しません。

ミイラと共に生活するというと、現代では許されないと思いますが、そこにある想いは、過去・現在・未来もなく、国や地域の差なく、同じ想いなのだと私には思えます。

投稿者 ゆきの父 : 2007年07月01日 22:26

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