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2004年02月28日
血液疾患のきょうだいへの講演会
血液の病気と闘っている患者さんのごきょうだいを対象にした講演会「血液の基礎知識・薬の副作用・治療の様子」を聴講してきました。
この講演は、友紀ちゃんがお世話になった病院に昨年発足した、血液腫瘍疾患の親の会「HotCocoa (http://www012.upp.so-net.ne.jp/hotcocoa/)」の主催による講演会で、友紀ちゃんの主治医であった田渕健先生によるお話でした。
血液の基礎知識、病状の表れ、検査、診断、治療、移植、副作用、晩期障害などについて、丁寧なお話でした。
先生によれば、以前は患者本人はもちろんのこと、両親にさえも病気の本当のことを教えるのはタブー視されていて、実際1995年頃のアンケートでも、20%の親が子供に話すのは反対だと答えていたそうです。「その重みに耐えられない」「生きる望みを失う」というのが主だった理由とされていたようです。
ですが、実際には「本当のことを知りたい」というこどもさんの方が多くて、近年では多くの方がきちんと伝えることを望むとの事です。その一環として、患児のきょうだいへのお話という今日の講演に繋がったと思います。
20家族くらいが参加されていました。幼稚園から小学校くらいのきょうだい達が聞いていました。一度で理解するのは大人でも難しいですから、何回にも分けて、必要とされるときに必要な情報を伝えていくことが大切だなと感じました。
今日はお兄ちゃんが風邪気味ということもあったのと、夏ちゃんにはまだ無理かなと思い、私だけ参加したのですが、いずれまた機会があれば二人にも聞いてもらいたいなと思うお話でした。
最後に先生が仰った「話をして逃げ出した人はいません。ご家族の中でもよくお話し合いをなさって下さい。一日一日を大切にお過ごし下さい。」との言葉が印象に残りました。本当にそう思います。
HotCocoaの代表の方が、「お父さんお母さんが付き添い看護などできょうだいの皆に寂しい思いをさせているかもしれないけれど、病気になってしまった子と変わりなく、皆を愛しているからね。」とお話されていたのも大切な語りかけだと思いました。
この講演会よりちょっと早めに病院に着いたので、病院内を見て回りました。外来、薬局、MRI/CT、食堂、売店、そして乳幼児病棟。院内を歩くので、受付で昔のように記帳して面会バッチをもらって付けました。記帳の患者の欄には「2東、友紀野」と書いて。
病棟の中にはさすがに入れないので、外の廊下から中の様子をうかがいました。昔のままでした。そして、中の廊下には雛人形が飾ってありました。友紀ちゃんが呼吸器管理をして眠らされていたとき、看護婦さんが病室に運んでくれて一緒に写真を撮ってくれたあのお雛様です。この写真が友紀ちゃんの最期の写真となっています。
それを見ていたら、いろいろなことが思い出され、とめどなく涙が流れてしまいました。この病棟のドアを隔てて、友紀ちゃんとお兄ちゃんが再会したときの嬉しそうな顔や、点滴をぶら下げて散歩していた時の表情が思い出されました。消毒液のにおい、オムツの重さを量るはかり、食事の時のイス、当時のままです。
友紀が亡くなってからは、この病棟に面会にくればまた会えるような気がしていました。今でもそこにいるように思っていました。でも、錯覚だったのですね。そこにはいないんだと、やっと気付いた気がします。
泣きながらボーっと立っていたら、中から見覚えのある看護婦さんが「友紀野ちゃんのお父さん!」と声をかけて下さいました。そしてそばにいた別の看護婦さんも呼んでくださいました。当時お世話になった、YさんとTさんでした。ボロボロ泣いている私を明るく迎えてくださいました。それがとても嬉しくて嬉しくて。何だかまともな挨拶も出来ず、失礼をしてしまいました。廊下ですれ違ったAさんも覚えていてくださいました。皆さん日々たくさんの患者さんを診ておられるのに、3年以上も経って忘れずにいてくださることに感謝しました。
その後、講演会を聴講して、今現在も闘っている人がいるのだということに接して、少し気を引き締める思いがしました。病院は、新しい病棟の建設工事が進められていて、移り変わっていく流れを感じた次第です。今回の講演会には、「スマイル オブ キッズ(http://www.smileofkids.npo-jp.net/)」の代表の方もお手伝いに来ておられました。この方は脳腫瘍でお子さんを亡くされていて、この活動をなさっておいでです。みなさんそれぞれの立場で活動をされていて、刺激を受けた思いです。(父)
投稿者 ゆきの父 : 2004年02月28日 00:00
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