2003年01月19日
めんどり
ネットショップで注文してしていた本が先週届きました。『風の中のめんどりたち』という本です。年末に注文したショップでは入手できなくて、別のショップで在庫が見つかりました。
白血病などで子供を亡くした母親を取材し、子供の病気の経過と天使になる瞬間が詳しく書かれています。そして亡くなった後の日々について丁寧にその心情が書かれています。難病との闘病記は他にも多くの本があるようですが、子供が亡くなった後のことを扱ったのが特徴であるとオビに書かれています。
序文を読んだだけでもう胸が一杯になってしまいました。書かれていること一つ一つに「うんうん、そうそう」と思い、母親たちの心情は察するに余りあります。痛いほど分かってしまい、最後まで泣きながら読みました。
実は闘病記や手記といったものを読むのはなんとなく避けていたのですが、天使ちゃんのHPをあちこち拝見するようになって読んでみたくなったのです。ネットで知り合った方にこの本のことを紹介され勇気を出して読みました。
「喪失を抱えた感性というのは、それがない時とは全く別物になったと言っていい。想像だけではわからない。だから、経験した母たちには、辛いだろうが語って欲しかった。そして、その友人たちにはこの物語に耳を傾け、一歩でも近づいて欲しいと思う。隣にいる人がなぜ空を見上げているのか、泣いているのか、知ってこそともに生きられる。」と著者は書いている。
同じ経験をしたものでないと想いを分かち合うことができないなと思うことはしばしばですが、この本に出会ってもう少し輪を広げることができるかもしれないと感じました。オビに俵万智「サラダ記念日」の詩が出ています。「思い出の一つのようで そのままにしておく 麦わら帽子のへこみ」この詩に共感される方、是非、本書をご一読ください。(父)
【書誌事項】
風の中のめんどりたち
忘れないで母たちの悲しみを
橋本明子著 連合通信社発行 あけび書房発売
ISBN4-900423-67-X
1,600円
投稿者 ゆきの父 : 2003年01月19日 00:00
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