●骨髄移植日記(Day 36〜Day 42)


●Day 36  by お父さん

気管支拡張剤の吸入を朝と寝る前の2回続けることになる。ファンギゾンの吸入は今日から無し。白血球が立ち上がっていることと、ファンギゾンがせきの刺激になっている可能性もあるとのことからだそう。今日も寝る前やはりせきが出始めるので、座らせて看護婦さんに吸入を持ってきてもらう。済むとせきが静まるので、確かに効いている。
友紀は今日も特別機嫌悪くもなく、なんか普通だ。トムとジェリーを見ながら笑っている。夕食はご飯全、カジキ全、リンゴ全、後は手をつけず。おやつは昼はプリンだったよう。夕は赤ちゃんせんべいとクッキー、牛乳。牛乳は1/3くらいでおしまい。
T先生がおやつのときに来て座り込んで話している。プログラフを経口に切り替える基準は特に無いそう。アメリカならもう退院ですと言っていた。まず、プレドニンを減量していくのを進めるそう。これで食欲が落ちてくるかもとのこと。点滴をかなり減らしてきたので、水分はたくさんとって欲しいとのこと。全体的に兄妹間移植のような感じの経過と言っていた。バンクの場合はもっと厳しいのが普通とのこと。
WBCは4500、成分比もまったく問題ない。Hbも10以上、Pltは7万で今日の輸血は中止。来週からのPlt輸血スケジュールは検討中らしい。例の、Pltドナーを家族が探さなければならない病院のことが朝日の9/24日曜版に出ていることを話すと、「非常識ですね。独自の哲学でやっておられると困ってしまいます」。小児アレルギーの有名な実力ある先生が宗教的なことを診察時にするなどの例もあげて先生は、「まったくいろんな医者がいますからねぇ」とやりきれない表情。
サイトメガロアンチゲネミアは、先日の結果は00でなく01だったそう。よってしばらく続けることになりそう。00が2回続けて出るまではホスカビルを続けるそう。
友紀は今日も寝たくないらしく、「絵本見るー、はさみー、きるー」とぐずっている。「もこもこ読んだら寝ようね。」と言って読む。終わると目を閉じてじっとしている。えらいね。5分くらいで寝る。少しふえーんと泣いたが寝る。

●Day 37  by お父さん

今日の夕食にはアスパラとニンジンの肉巻きが出たよう。前処置のとき薬で眠らされて起きたときガツガツと喉に詰まらせながら食べていたのを思い出す。Day -5だ。あれから40日あまり。大きな山を越えてきた。
夕食は今日はいつもより早めにごちそうさま。17:20頃から絵本。18:00頃、おやつにマリービスケットと牛乳200cc飲む。
T先生が来てDay14のマルク時のキメリズム解析データのコピーを説明してくれる。今日、お母さんからホスカビルの代金を払ったので、その領収書をもらう。確定申告で使えますとのこと。
友紀の機嫌はふつう。お母さんがいるときはおやつをねだったようだ。食欲が出すぎているのかな。ここんところウンチが出ていたが、今日は出ない(自分がいる間のとき)。パジャマも友紀が選び着替える。吸入して楽しそうだ。ピカチュウを見ていて眠たそうなのに寝ないので、言い聞かせてテレビを切る。少し、ふえーん、と言ったが、すーっと眠る。やはり眠かったよう。ベットの角度が急なので寝にくそうなので少し低くする。落ち着いて眠る。何だか普通な感じだ。

●Day 38  by お父さん

14:10頃、友紀のところへ。昼の担当はMさん。午前中、友紀にまた泣かれたらしい。せきが酷くなってしまい、吸入して落ち着いたらしい。「昼寝してさっき昼ご飯を食べたところです。」と言っていた。焼きそばのよう。行ったときは、友紀、一人で歯磨きをしていた。
様子を聞いてウンチがまだと言っていた。友紀にオムツ替えようか?と聞くと、「ウンチ、出てる」と言うので、慌てて替える。イスに座っていたので、横からはみ出してズボンが汚れている。丁度、Hさんが痒み止めの軟膏を持ってきてくれたので手伝ってもらう。
友紀は今日、顔にGVHDのポツポツが出ている。目の下が多い。「背中も多いです」とMさん。痒いのか掻いて傷になってますとのこと。T先生に見てもらって、痒み止めの処方になったらしい。夕方先生が来て、「ステロイド減らしたせいかな。」と言っていた。量をもどすかどうか検討しますと言っていた。その他は特にかわりなし。
昼が遅かったのでおやつはパス。夕食まで待ちきれないのか、15:30頃から食べたそうにぐずりだすが、「何か飲む?」と聞いても答えないのでそのまま。
夕食は鳥の照り焼き、ご飯も海苔を巻いて全部。オレンジ1/2切れを全部。相変わらず野菜は食べないねぇ。夕方のおやつは、おっとっとと牛乳。準夜の看護婦さんは友紀とおなじ三人兄妹の真中というかわいいTさん。
少し部屋の中を歩く。先生が「脱走しませんか?」と聞いてきた。「自力で歩いてるならいいね。」とも。今夜は当直のようだ。
寝る前はトムとジェリー4をご指定。最初、ピングー3だったが、ポップコーンが終わるとすぐ、「トムとジェリー」となった。19:00頃からもう眠そうで、目をこすっている。体温が上がるせいかせきが酷くなる。吸入して横になる。しばらくトムとジェリーを楽しそうに見ていたが、気づいたら寝ていた。19:30頃に一度目を開けていたが、またすぐ寝た。

●Day 39  by お父さん

14:10頃着。お昼寝中。日勤はHさん。「1時頃寝ました」。少し待ってみる。14:40頃、友紀自分で起きる。目を開けたときに私がいたので、すぐ起き上がって、「テレビつけるー、トムジェリー、ピングー」と立て続けにリクエスト。Hさんがおやつのミルミルを持ってきてくれるが、「いやー」。何を聞いても、「ふえーん」なので、おやつは無し。まぁ、いいか。夕食までゆっくり過ごそう。
GVHDが昨日より酷くなっている。T先生にも診ていただいたとのことで、痒み止めが昨日出たのに変って、Aランクのときモルヒネの痒み止めに出ていたものになった。背中をかきむしって傷になっている。耳が赤い。ほっぺも赤い。夕方は少しマシになったが、頻繁にかゆみ止めを塗ってやる。寝る前、パジャマにするとき、背中から肩、首に全体的に塗ってやる。耳も。
夕食はチキンカツ。今日も鳥だ。カボチャとパセリ、キャベツ千切り、キュウリとジャコ、ご飯山盛り。何かあまりにも大盛りなので、最近、大盛りだなぁと思っていたので、Hさんに言う。見にきて、「これは大盛りですねー」と「栄養科に聞いて見ます」とのこと。今の友紀は出てくるもの全部(好きなもの)食べようとするから、ご飯は減らして欲しいくらいなので確かめてもらおう。
海苔は4袋お代わり。もらいに行くと、「友紀ちゃん用にとってあるのでいくらでもどうぞ。」と言われてしまった。チキンカツは全部、ソースをかけながら食べた。ソースをかけると、「すっぱい」と言いながらも気に入った様子。カボチャは少し、あとご飯。おやつなしだったので、麦茶を良く飲む。この方がいいのでは?
少し部屋の中を歩かせる。ベッドとテレビの間を歩く。Oさんが通りかかって、「ベッドから下りられたんだー」と少し話し掛けてくれる。相変わらず友紀は無視。まったく。
準夜はUさん。最近、少し慣れてきた感じね。夕方のおやつに、「ゆきちゃん何飲む?」と聞いてくれる。友紀、「リンゴジュース」とはっきり言う。おーめずらしい。150ccマグに入れてきてくれたが、「コップー」と言う。入れ替えてやると全部飲んだ。「甘いー」と満足げ。お昼寝をしたせいか寝そうになかったが、19:10頃からあくびするので寝かせる。「はっけんずかんー」と絵本をリクエスト。読みながらトムとジェリーを見ながら19:40頃寝る。一度目を開けたが、確かめるようにしてまた寝た。
今日は国勢調査日だ。3ヶ月以上入院していると、自宅でなく病院で書くらしい。何か寂しいぞ。Hさんに確認するのを忘れてしまったが、ちゃんと病院でやってくれるのかね。明日は事務が開いてるから確認してもらおう。
晃也君のお母さんと少し話をした。晃也君は肝臓芽腫らしい。今度の火曜日に自家移植用に骨髄を取る手術をするらしい。肝臓の芽腫を抗がん剤で治療すると骨髄も弱くなる可能性があって、その時に移植できるように保存しておくらしい。友紀の移植が順調なので、「勇気付けられます」と言っていた。みんな大変だ。
そうそう、Hさんが、「院内ならマスクして散歩OKです。」と言っていた。点滴台をもう少し安定度のいいものに替えてもらいたいね。それから私がトイレに行った時に、Hさんが赤いキティちゃんの風船をふくらませてくれていた。風船を持っていこうと思っていたので嬉しかった。友紀は、「みどりー」と言って怒っているが…。まったく。

●Day 40  by お父さん

国勢調査の件を婦長さんに聞く。事務局に確認してくださった。明日、病院の国勢調査員の資格を持った人が各自分を調べてくれるそう。前もって連絡欲しいね。5年に1回だから病院も慣れてないのかね。
夕方、急遽入院する赤ちゃんがいるとのことで、206号室を2人部屋にするので、友紀野は211号室へ引越しとなる。北側の1人部屋。少し薄暗いのが残念。1人部屋なので狭くなった。ベッドの向きやテレビの位置をもう少し工夫がいるね。
昼の担当はYさん。夕方はMさん。部屋が移動してKさんが来ていたけど、どっちか分からず、移動やら雰囲気が変ったやらで、友紀が、「3倍パンチはー?」、「絵本はー?」と確認するようにリクエストを出してくる。
おやつの時間も吸入もずれて、もともと今日はお母さんが本や風船を買ってきてくれていて遊びたい気持ちが強くて少し落ち着かない。19:30でも寝ない。手足はあったかいので眠いはずだが。今日は、友紀に「また明日ね」とバイバイしてくる。少し泣いていたようだが寝たみたいだ。
今日、Pltは3万7千。「もう血小板の輸血もしなくていいかもしれないです。」とT先生。「GVHDもコントロールできている範囲なのでGVLのためには出てもらったほうがいいので」と改めて言っていた。
かゆみはまだあるようで、リンデロンを塗ってやる。背中は昨日よりはいいが、まだ赤いポツポツがある。おなかや手足にも出ている。多分、首の痒み防止のためかあぶちゃんなしで安全ピンでルートが留めてあった。
夕食はお母さんが帰った後、風船で遊びたくなって、すぐごちそうさま。夕方のおやつも牛乳をもらったがあまりすすまない。ステロイドは昨日からもとの量に戻ったらしいが、食欲は少し減ったか?夕食後、オムツを替える。昼、お母さんは全然替えられなかったといっていた。案の定、ズボンまでしみてあふれていた。おむつだけで240gはある。ズボンにしみた分はわからないけど、友紀は今日、遊びたくてしょうがなかったようで、まぁ、いいことではある。

●Day 41  by お父さん

T先生が17:30頃来る。「友達になろうよ」とベッドに座っていた友紀の隣に座って背中をさするが、友紀は身をよじって避ける。「そんなに嫌わなくても…」と先生。ごめんなさい。「プログラフを経口にできればねぇ」と言っていた。痒みは夜は痒み止めを点滴してくれるそうだ。
友紀は今日は昼寝をしなかったようで、19:15頃寝た。昼の担当はKさん。準夜はHさん。昼、婦長さんに大分遊んでもらったよう。風船で遊んで写真も取ってもらったそうだ。「あんまりいいお顔をするので」とのこと。
夕食はいつものように好きなものだけ食べた。ウンチが出てごちそうさま。おやつはプーさんのクッキーとリンゴジュース。お代わりをして満足げだ。新しい部屋に置いてあったビデオを見て真剣に見ている。”ロールパンナちゃんの秘密”を見た。うーん、なるほどという感じ。
GVHDは手足にも出ている。早く収まらないかね。

●Day 42  by お父さん

昨日の夜のNHKニュースでチラッと聞いて気になっていた記事が朝刊に出ていた。骨髄採取のときにドナーの方に血腫が出来たという事故があったらしい。読売には先月末と出ていて、琉球大病院とのことで、まさか友紀野のドナーでは、とヒヤリとしたが、朝日には9月下旬、640mlとの記載があったので違う。友紀野のドナーは210mlだ。全世界で見ても血腫は2件目らしい。バンクではコーディネート中の200件あまりの最終同意を取り直すらしい。移植という治療に望みをかけている患者はたくさんいる。悪影響が出なければいいが…。
友紀は今日、16:00頃にお風呂だったようで、17:00頃から夕食、メンチカツを全部食べた。モモ缶も食べた。ご飯は少し残した。サラダ類はやっぱり食べない。ポテトサラダだけ少し食べた。
U先生がデータの説明にきた。サイトメガロウイルスは11だそう。まだ、ホスカビル必要だ。GVHD、痒みについては塗り薬と、夜は看護婦さんの判断で寝苦しそうなら痒み止めと眠れる薬(鎮静剤?)を点滴してくれるそうだ。
Pltは、今日、47,000あるそうで、ここんとこPlt輸血していないのに上がってきたので、いよいよ自分で作れるようになってきたようだ。T先生も、「これはすごい」と言ったそうだ。
準夜はYさん。友紀は風船で遊びながら19:30頃寝た。帰り、ふうちゃんのお母さんが歩いていたので、東戸塚まで送る。ふうちゃん、治療のダメージが強いらしい。

友紀野のタンポポ畑
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