骨髄移植日記(Day 29〜Day 35)
Day 29 by お父さん
せきが出るとひどい。ベッドを少し上げてある。友紀はキティちゃんのイスに座っていた。昼ご飯の時に、「おイスー」とおねだりしたそうだ。久しぶりにお気に入りのイスに座ってよかったね。
ベッドには上がりたがらず、イスでテレビ、ビデオを見た。僕が行ってからは遊ばないで見ていた。熱が37.3℃と微熱が続いている。
今日、明日とT先生は学会で不在なのでデータは分からない。U先生も現れず分からない。Pltは輸血していた。予定分かな。
お昼寝をしたようでお母さんが行ったときにまだ昼ご飯を食べていたらしい。おやつもあって夕食はあまり食べられなかったよう。夕方のおやつはケーキ菓子と牛乳。結構飲んだ。帰り際がいやらしく、ぐずる。氷枕を替えてもらい、何とか横にさせる。眠入りそうになると、「フェーン」と泣いて目を開ける。淋しいよね。また明日ね。
Day 30 by お父さん
今日は明日の休日が土曜なので振替で会社は休み。蒼ちゃん夏ちゃんを送り出した後は静かだ。高知のおばあちゃんは高島屋へお出かけ。久しぶりに外の空気に触れてもらえてよかった。
14:10頃、お母さんと二人で友紀の所へ。お昼寝を少ししたようで、その時に包交をされたらしくご機嫌ナナメ。まだ眠いようで怒っている。プリンを出してもらいやっと落ち着く。Oさんが持ってきてくれた。
「ゼリー、ポカリー」と言っていたが、結局、「牛乳」となる。1/2以上飲む。うんちが出たのでベットにあげて替える。まだ粘液状のドロドロだ。何故か友紀はオムツの後、「タオルー」というのでタオルケットをかけてやる。この頃、夜中にうんちをしているようなので、そのくせがついたのか、それとも本当に眠いのか。夕食までゴロゴロしてビデオ(ポケモン)を見る。
夕食は、鳥の唐揚げ、カボチャとポテトのグラタン、サラダ、フルーツ缶、ご飯にのりたまをかけて好きなものを食べる。サラダ以外は1/2くらい食べた。夕方のおやつも赤ちゃんせんべいにクリームビスケット、ポカリ、何か食べてばかりいる感じ。
丁度無くなった頃に、廊下でおやつを選んでいるお母さんと子どもさん看護婦さんの会話が聞こえてきて、友紀、注目している。その子がおやつをもらっていったので、友紀、おねだりする。看護婦さんが、「友紀ちゃん、見えちゃった?アイス食べる人ー?」と聞くと、友紀は手を上げる。ということでアイスバーをもらう。ぺろっと食べる。ま、食欲あるなら大丈夫かなとYさんと話す。
U先生にデータを聞くと、血小板8万、白血球3000、好中球1000を越えているとのこと。いい感じだね。帰りはいつものようにぐずるが、19:30頃寝る。このところアンパンマン系は飽きてきたのか、ポケモンとピングーを主に見ている。そろそろ入れ替えかな。
Day 31 by お父さん
14:00頃友紀の部屋へ。イスに座って”はっけんずかん「むし」”を楽しげに読んでいる。看護婦さんにいろいろと読んでもらったようだ。「”もこもこ”がお気に入りなんですね」と言われる。T先生が来て「今日は4000ですね。あとはGVHDのコントロールだけですね。」と疲れた感じ。学会で疲れたのかね。その後はいらっしゃらず他のデータは分からない。
今日は休日なのでひょっとしてプリンがないかも、と思い、いなげやで買って行く。タカナシがなかったので土浦農協のを買って行く。友紀、昼のおやつにプリンを出すが、見ただけで怪しんでいた。一口食べて嫌な顔。結局、看護婦さんがタカナシプリンを持ってきてくれると食べた。「やっぱり地元がいいんですよ。口当たりまろやかだし、ゆきちゃん敏感ですねー」と感心しきり。うーむ。
無菌管理から開放になったので、おあづけになっていたしまじろうの本と付録を持っていったので、これで遊ぶ。シールを全部貼ってしまった。お弁当作りセットはキティちゃんのテープまみれになってしまった。
新幹線の写真をシールだと思ったのか、「とるとる」と怒っている。しょうがないので、はさみで切り抜く。友紀がそのページは残りを破ってしまう。ビリビリ、チョキチョキしてこなごな。他の切り離して遊ぶ花なんかもこなごな。「きる」と言ってはさみを渡すので、言われるままに花を切り抜いてやる。友紀も自分でやって左手の親指の爪を深爪みたいに切ってしまっていた(後から気づいた)。一通り切って気が済んだのか、落ち着く。
夕食は栗ご飯。栗をよけて、「ご飯だけー。」と食べている。ぶどうは食べたが柿は食べなかった。サトイモ、肉を食べる。サラダは全く手をつけず。どうしても一時間くらいかかってしまう。だらだら食べるのを何とかせねば。夕方のおやつはかっぱえびせん。「えびー」とふくろを指さしてバリバリ食べる。牛乳も1/2くらい。時間かかる。
19:00にオムツ、お着替えと寝る準備をはじめる頃には、友紀はもう半泣きで機嫌悪くなる。分かるようだ。一旦寝かせるが、「おっきー、おっきー」と泣いているので、起こす。説得すると自分で寝た。「タオルー」と言っている。消灯してタオルをかける。氷枕が湿っぽいのでアイスノンにかえ、タオルも替えてやる。ピングーを見ながら寝たくない、泣きべそしながらも寝る。19:30に帰る。この頃、これくらいに寝てくれるのでリズムはあるようだ。淋しいけどゆっくり眠りなさい。また明日。
Day 32 by お父さん
日勤はKさん。たくさん遊んでもらっていたよう。行った時はしまじろうのおべんとう作りセットで遊んでいた。おにぎりやサンドイッチを作れるおもちゃだ。今日の昼食もサンドイッチだったそう。ジャムサンド以外は全部食べたらしい。14:30頃行ったのでおやつはプリンを食べた後だった。昨日の土農のを食べたらしい。タカナシを買っていったので冷蔵庫に入れておく。ローゼンにはあるのだ。
今日は昼にうんちが出たらしい。「いいウンチでした」とKさん。「だんだん良くなりますねー。絵本も一緒に楽しく読んで、お話もしてくれてー、ポケモンよく知ってますよね。」とKさんは毎度のことながら良くしゃべる明るい看護婦さんだ。
T先生が今日も行ってすぐに顔を出してくれ、「WBC4000越えてますからいいですね。」と言い残していく。
夕食は焼き海苔をKさんが出してくれる。友紀、喜んで自分で巻いて食べる。その上、のりたまもかける。全部食べる。カレー味のスパゲティは玉ねぎとピーマンをきれいに残して全部。カレイの揚げたのにあんかけになっているのはカレイだけ全部。パイナップルは食べない。麦茶を50cc飲む。
夕方のおやつはフルーツシュークリームと牛乳。今日は自分でストローをやると言って怒っている。でも、「コップー」といってコップを持ってこさせる。一気に注ぐので溢れるところだったが、少し飲んでいたのでギリギリ。ベット上でテーブルだったのでヒヤッとしたが。150ccくらい飲む。シュークリームはシューだけ。それにしても食べすぎではないか。おなか苦しそう。
今日は熱は36℃台。せきは相変わらず出る。他は変わりなし。うんちは良くなった。薬、吸入まで済ませて19:00前だったのでひざに抱っこでゆっくり過ごす。ぎゅっと抱きしめて、また明日の説得。今日はわりとすなおに横になってくれる。だが、無理矢理眠ろうとしているのか、耳をいじったり首筋をかきむしっている。タオルで拭いてやる。19:40頃にやっと寝る。Oさんにお願いして帰る。そうそう、夕食の後、足の爪を切った。垢が溜まっているのかにおう。切った後、アルコール綿で汚れをふき取った。
Day 33 by お父さん
16:45頃、友紀の部屋へ。お母さんと交代する。夕食の最中。ハンバーグだ。しまじろうのビデオを見ながらゴキゲンにしゃべっている。
お母さんがU先生から聞いたのでは、網赤血球が21‰、血小板11万、白血球4500と良いデータだ。T先生も後で、「血小板の輸血は週3回に減らせそうですね。」と言っていた。おなかが大きいことを質問したら、「そう、大きい。脂肪でしょう。顔もだいぶ丸くなってるね。」とのこと。「2〜3ヶ月で肝臓は小さくなるといわれています。」といつもの説明だった。
友紀は見た感じは元気になってきた。GVHDのコントロールは長く続くとはいえ、早く落ち着かないかなと思う。今日の機嫌は、まあまあ。「のりたまー」と言ってYさんに持ってきてもらうが、嫌がる。どうも海苔が欲しかったようで、再び持ってきてもらう。自分であけてご飯を巻いて食べている。全部食べた。ハンバーグはあまり食べなかったが、デザートのリンゴを2切れ全部食べた。
お昼寝を1:30頃から15:00頃までしたようで、夜はねそうもない。19:30にうんちが出たのでオムツを替えて帰ることにする。今日は病棟が騒がしい。たくさん赤ちゃんが泣いている。めずらしい。ふうちゃんも今日から3クール目で戻ってきた。晃ちゃんも開放になっていた。
ウンチは大分形が出てきた。まだペースト状で食べたものが出ている感じだが、以前の粘液まじりファンギゾンそのままではなくなっている。だんだんと良くなってきているね。37.3℃と今日も微熱だ。
友紀に聞くと、「ミッキー、いい。」と言うので、ミッキーのアイスノンを借りてくる。今日は比較的すぐ横になってくれたが、前述の通り寝そうもない。夕方のお薬がファンギゾンに混ぜてあったので、友紀も飲みにくそう。食べるのに時間がかかるので、16:00に粉薬は飲ませるように看護婦さんにお願いする。ファンギゾンは食後。ゾビラックスが寝る前にもあるので間隔をあけるためにお願いした。
Day 34 by お父さん
T先生からお母さんが聞いたのでは、明日から点滴を一本にまとめるとのこと。お散歩もできるようになるそう。サイトメガロアンチゲネミアは、00とのこと。もう一度検査して00を確認してから薬を止める方針。採血は毎日から月水金(土日なし)のパターンに戻るそう。血小板輸血は今週は火木土。来週は週2日に出来る可能性もあるらしい。プログラフ(免疫抑制剤)は、1ヶ月半〜2ヶ月の時期に経口に切り替える予定とのこと。ということは、それまでは外泊は無理ってことだね。
17:00頃行くと夕食だった。肉は全部。ご飯も海苔を巻いて全部食べる。それにしても野菜は食べないねぇ。野菜ジュースかスープを持っていったほうがいいか?
夕方のおやつの途中、うんちが出る。やわらかい便でいいウンチだ。その後はもう食べない。キティちゃんのテープをはさみで切って遊んでいて目が離せない。IVHルートを切ったりしないように気を付けないと。指を切らないでね。
友紀の機嫌は今日もよい。おしゃべりもする。今日のお帰り時間はKさんに19:00頃お任せしてくる。Kさんに4月頃再入院した時の写真をもらう。
T先生がお散歩や一般病室へもという話をしていた。目安を聞くと、今すぐこの個室を使う予定の人はいないそうで、慌てなくてもいいといった感じ。今はビデオ見放題だから201号(6人部屋)とかに移るとその辺が友紀の機嫌を損ねそうで気が重いなぁ。
Day 34 同日 by お母さん
今日、先生は友紀野に何度も「抱っこしてあげよう。」と両手を差し出したが、友紀はその度に、「ふえ〜〜ん」といや〜な顔。先生、「何で。抱っこ嫌なの?仲良くしようよ。友人になろう。」と、また”友人になろう”と言い出した。友紀は、またまた、「ふぇ〜〜〜ん」。先生、「うん、友人になろうよ。ピングー達になろう!」と友紀の顔の横に先生の顔を並べて”にっ”と笑顔を作った。(たぶん、”ピンガの迷子”というお話の最後のところを真似してるんだと思う)。ぶっ、思わずふいてしまった。友紀は、もちろんさらに、「ふぇ〜〜〜〜ん」。「わかった、わかったよ」と先生は看護婦さんに明日の指示をしてから部屋を出た。先生ごめんなさい。友紀も本当はT先生のこと慕ってるのだと思います。
Day 35 by お父さん
今日からルートが1本となる。まだ他の子との接触は不可とのことで、プレイルームに行きたいときは声をかけてくださいと言われたらしい。お母さんがサンダルとクツを持ってきてくれていたので、サンダルを履かせて部屋の中で立っちさせる。ベッドからテレビまで2,3歩だが、なんとなくおぼつかない。久しぶりで弱っているようだ。テレビの前で立ちすくんでいるので、様子を見ると気張っている。うんちだ。少し20gくらい出る。
しまじろうのお着替え練習の付録で遊んでいると看護婦さんが「かわいいね」と通りすがら声をかけていく。Hさんに言われても友紀は相変わらず「ふえ〜ん」。どうも外からいろいろ言われるのが嫌なよう。昼の看護婦さんが、「ピカチュウ?」と言った。準夜のTさんは、「キタロウかと思った」。うーむ。「それは古すぎですよー」と大笑い。当の友紀はかぶって耳を触って遊んでいる。
夜、19:20頃、せきが酷くて吐いた。夕食もほとんど食べたし、夕方のおやつもばかうけ2枚、ホワイトロリータ1本、牛乳200cc全部だったので、すでに”ウップ”状態ではあったのだが、吐いてしまった。その後も、3回吐き、当直の女医さんを看護婦さんが呼んでくれて診察してもらう。せきを抑えられるかもということで、気管支拡張剤の吸入をすることになる。20:00過ぎていて、半分寝ていたが、吸入中に友紀は寝てしまう。呼吸が楽になったようで、せきも収まった。20:30頃までかかり、外でお迎えに来ていたお母さんを待たせてしまった。診察のときも、「せなかー」とかしゃべっていて、機嫌が悪いわけでもなく、気持ち悪いわけではなさそう。せきのせいと、おなかが一杯というせいだと思う。まずは落ち着いたので良かった良かった。
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