小児骨髄異形成症候群(MDS)治療プロトコール MDS99(抜粋)

以下に、友紀野のかかった病気に関連する部分の説明を引用紹介させていただきます。専門用語が多く表現が難しい面もありますが正確に知るというためには欠かせないと思い掲載します。


III 研究方法

1)基本的考え方

iv) JMML(Juvenile MyeloMonocytic Leukemia)

 近年、CMMoLと従来JCMLとされていた症例を併せてJMMLと呼称することが提唱されている。本プロトコールにおいても2疾患を同一の群として治療する。AMLに準じた化学療法の有効性は証明されていない。すべての症例で同種SCTが行われるべきであるが、2歳未満、血小板数 > 33,000/μL、HbF < 15%は病勢が急速に進行することは少ない(3年生存率70%程度とされている)ことが知られているため、HLA一致同胞以外のドナーからの移植は慎重になされるべきであろう。
 核型異常では、-7および7q-を有する例が多いが、予後には関係がなかったと報告されている。また、JMMLにおける脾摘の意義は不明である。

2)各治療法の評価

i) 化学療法

 JMMLに対する強力な化学療法は、現在のところほとんど効果はないと考えられている。ヨーロッパのアンケート調査では、6-mercaptopurine のみが有効であったとされている。

iii) その他の薬剤

 JMMLに対して13-cis-retinoic acid の有用性が一時報告されたが、その後のphase II study では、予後の改善は得られなかった。

iv) 造血幹細胞移植(SCT)

 現時点では、MDSのいずれの病型に対しても、同種造血幹細胞移植が適応である。98年の国内の集計では、移植を受けた一時性MDS 46例の4年生存率は61±8%であり、移植を受けなかった56例の28±7%と比較して有意に(p=0.001)良好であった。
 また、JMMLに対する移植の成績は、98年の国内集計によると、4年生存率56±15%(23例)と比較的良好であった。

IV 治療プロトコール

 JMMLに対する治療は、前治療(6-mercaptopurineを主とする)および移植前処置(非TBIレジメンによる)ともに、すべての症例で統一したものを採用するが、大阪府立母子保健総合医療センターにおいては、AMLに準じた化学療法を行った後にTBIを含んだレジメンを用いる治療法(TBI+thiotepa+L-PAM)が、パイロット研究として行われる予定である。
 なお、すべての病型において、核型異常の有無・種類による治療法の変更は行わない。

4)JMML

 原則としてAMLに準じた化学療法は行わない。白血球数のコントロールを目的に、まず6-mercaptopurine 50mg/u/dを投与する。白血球数がコントロールできない場合には、cytosine arabinoside(CA) 40mg/u/d、5日間程度を3−4週毎に1−4コース追加する。
 骨盤腔に達するような巨脾を認めるときには摘脾を行ってもよい。
 すべての症例で同種SCTが行われるべきであるが,2歳未満、血小板数 > 33,000/μL、HbF < 15%の3項目を満たす症例においては、HLA一致同胞が得られない場合には、少なくとも6ヶ月間は移植を行わずに経過観察としてもよい。その他の症例では、同胞以外のドナーからの早期のSCTを考慮すべきである。HLA一致同胞ドナーが得られた場合には、いずれの症例に対しても、早期に移植を行う。


以上の説明を読んで分かることは、JMMLの治療には、

ということが分かります。


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